みなさんこんにちは。
秀光人形工房の金子です。
今日は昨日に続いてお節句のおもてなしに関するお話です♪
『端午の節句のお料理』
端午の節句の時のお料理は、男の子が健康でいられるようにとの願いが込めれたお節句である事から、「成長」を感じさせる食材を使う事が多いようです。
伝統的に伝わる端午の節句の時の献立としては、
「筍(竹の子)ご飯」
「海老のお吸い物」
「カツオのタタキ」
「鯉の甘酢あんかけ」
「鯛めし」
「筍の煮物」
等があります。
男の子の無事の成長と出世を祈願して行われる端午の節句にちなんで、お節句のお料理にはこの願いを託すようなものが多く使われて来ました。代表的な物として、出世魚であるスズキ、ボラ、ブリなどを使う風習があります。出世魚とは、成長して大きく育つに従って名前の変わっていく魚を差します。
初夏のこの時期に旬となるカツオも、勝つ男に賭けて欠かせない食材とされています。他にも中国の昇龍門伝説になぞられて揚げられる鯉のぼりにちなんで、鯉も多く使われます。お頭付きで丸揚げされた鯉を、甘酢あんかけで仕上げた料理が良いでしょう。鯉は古来日本でも滋養強壮の源とされ、良質な栄養が取れる事から特に珍重されてきました。
山の幸である野菜では、芽を出すものや成長の早いものが特に喜ばれ、ワラビやヨモギ、筍(たけのこ)や木の芽等が使われています。特に筍は真っ直ぐ天を突く様に伸びていき、成長も早い事から、端午の節句には欠かせない食材とされています。
『端午の節句のお菓子と飲み物』
お子さんと一緒に楽しむ時にも、欠かせないのは「柏餅」や「しょうぶ酒」でしょう。柏餅の柏の木は、おめでたい樹とされ、古代中国の伝説からは霊力があると考えられており、けがれ無きお子様を悪霊から守ってくれるものとして尊ばれていました。その柏の木の霊力を我が家、引いては我が子に導く為にも、柏餅は欠かせないお菓子となっています。
柏餅と並んで端午の節句に用いられる物として「草餅」があげられます。草餅に使われるヨモギには消毒作用があり、古くから薬草としても珍重されていました。このヨモギをお餅の中に入れて食べ、健康を願ったとされています。
菖蒲(しょうぶ)酒はしょうぶの根を刻んで浸したお酒。邪気を払う飲み物として古くから端午の節句に飲まれてきました。しょうぶは尚武に通じ、解毒作用もある事からしょうぶの根は特に尊ばれていました。しょうぶは葉根なので、葉の部分を使います。菖蒲湯なども効果的とされています。
しょうぶは現在もお節句用にお近くのお花屋さんやスーパーなどで手軽に販売されています。菖蒲酒は、小さなお子さんに飲ませる時には、ジュースなどに菖蒲の葉を浮かべて与えてあげるのが良いでしょう。
端午の節句が伝統行事だからと言って、昔からのしきたりどおり料理を作るばかりが良いとも限りません。ちょっとした工夫やアイデアで、みんなが喜ぶ端午の節句料理が出来ると思います。端午の節句にちなんだ形や食材を利用し、ご家族みなさんで楽しくお料理して下さいませ。